「大学を中退したら就職できないのではないか」という不安を抱えている方は少なくありません。 確かに大学中退者の就職活動には一定の困難が伴いますが、適切な対策を講じることで正社員として働くことは十分可能です。
実際に統計データでは、大学中退者の約34%が正社員として就職しており、3人に1人は成功を収めています。 本記事では、大学中退者を取り巻く現状と就職が厳しいと言われる理由を明確にした上で、成功するための具体的な方法を詳しく解説します。
大学中退でも就職は可能

大学中退者でも正社員として就職することは決して不可能ではありません。 近年、多くの企業が学歴よりも人柄や意欲、将来性を重視する採用方針に転換しており、大学中退という経歴があっても評価される機会が増えています。
特に20代という若さは大きなアドバンテージとなります。 企業にとって若い人材は柔軟性が高く、新しい環境に適応しやすいというメリットがあるため、未経験でも長期的に育成できる人材として期待されています。
また、人手不足が深刻化している業界では、学歴不問・未経験歓迎の求人が数多く存在します。 IT業界、介護業界、営業職などでは、スキルや経験よりも意欲や人柄を重視する企業が増えており、大学中退者にとって就職のチャンスが広がっています。
実際に大学中退から正社員就職を果たした事例は数多く報告されており、適切なアプローチを取ることで、就職に成功することは可能です。
大学中退者を取り巻く状況
大学中退者の就職を考える上で、まずは現状を正確に把握することが重要です。 統計データを基に、大学中退者の就職率や大卒者との比較、そして中退者数の実態を詳しく見ていきましょう。 これらの情報を理解することで、現実的な就職戦略を立てることができます。
大学中退者の就職率は約34%【統計データより】
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、大学中退者の正社員就職率は約34%となっています※。 これは大学中退者10人のうち、約3人が正社員として就職していることを意味します。
ただし、この数字は2015年時点の調査結果であり、現在の雇用情勢の改善を考慮すると、実際の就職率はより高くなっている可能性があります。 残りの割合を見ると、45.7%が非正規雇用(アルバイト・パート・派遣社員など)、13.9%が未就業という結果になっています。
この数字だけを見ると厳しい現実に感じられるかもしれませんが、逆に言えば3人に1人は正社員として働いているという事実でもあります。 重要なのは、この約34%という数字は適切な就職活動を行わなかった場合も含んでいることです。
就職支援サービスを活用したり、戦略的な就職活動を行ったりすることで、この成功率を大幅に向上させることが可能です。 また、非正規雇用から正社員への転換や、未就業状態からの就職も決して不可能ではなく、時間をかけて適切なアプローチを取ることで道は開けています。
※独立行政法人労働政策研究・研修機構 大学等中退者の 就労と意識に関する研究
大学中退者と大卒者の就職状況比較
大学中退者と大卒者の就職状況には明確な差があることは事実です。 文部科学省の最新調査によると、令和5年度の大学生就職内定率は97.3%となっています※。 一方、大学中退者(高卒扱い)の就職内定率は約76%程度とされており、明確な格差が存在します。
初任給についても格差が存在します。 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、大卒の初任給は230,000円、高卒の初任給は181,900円となっており、約5万円の差があります※。
さらに企業規模別で見ると、従業員300人以上の大企業では圧倒的に大卒者の採用割合が高くなっています。 これは大学中退者にとって大企業への就職が相対的に困難であることを示しています。
しかし、これらの格差は初期段階のものであり、長期的なキャリアにおいては必ずしも固定化されるものではありません。 実力主義の企業や成長企業では、入社後の頑張り次第で大卒者を上回る成果を上げることも十分可能です。
※文部科学省「令和5年度大学等卒業者の就職状況調査」
※厚生労働省「 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省」
大学中退の現状|令和5年度は約4.9万人が中退
文部科学省の最新調査によると、令和5年度の大学・短期大学の中退者数は48,694人で、全学生に占める割合は1.74%となっています※。 これは前年度(令和4年度)の57,875人(1.95%)から減少しており、改善傾向が見られます。
主な中退理由としては以下のようなものが挙げられています。
- 転学・進路変更等:22.0%
- 学生生活不適応・修学意欲低下:16.8%
- 就職・起業等:14.2%
- 経済的困窮:13.1%
- 学力不振:8.0%
注目すべきは、転学や進路変更、就職・起業など前向きな理由での中退が全体の約36%を占めていることです。 これらの理由での中退は、必ずしもネガティブなものではなく、むしろ自分の将来を真剣に考えた結果の決断と捉えることができます。
また、年間約4.9万人という数字は決して少なくないため、大学中退は特別珍しいことではないということも理解しておくことが重要です。
※文部科学省「 令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」
大学中退者は就職できないと言われる5つの理由

大学中退者の就職が「厳しい」と言われる背景には、具体的な理由があります。 これらの理由を正しく理解することで、適切な対策を立てて就職活動に臨むことができます。 ここでは主な5つの理由について詳しく解説します。
最終学歴が高卒扱いになり応募できる求人が限られる
大学を中退した場合、最終学歴は「高校卒業」となります。 最終学歴とは「最も高い教育機関の卒業歴」を指すため、大学に4年間通っていても中退した場合は大学卒業の学歴にはなりません。
この結果、応募条件が「大卒以上」となっている求人には応募することができません。 特に大手企業や金融機関、公的機関などでは大卒以上を条件としている場合が多く、選択肢が大幅に限定されてしまいます。
ただし、近年は「学歴不問」や「高卒以上」の求人も増加傾向にあります。 特に成長企業やIT企業、サービス業などでは学歴よりも人物重視の採用を行う企業が多く存在します。
また、履歴書には「大学入学」「大学中退」の事実を記載するため、大学入学レベルの学力があることは評価される場合もあります。 重要なのは、応募可能な求人の中から自分に合った企業を見つけることです。
企業からネガティブなイメージを持たれやすい
大学中退に対して「継続力がない」「困難から逃げる傾向がある」「忍耐力に欠ける」といったネガティブなイメージを持つ採用担当者が存在することも事実です。
企業側としては「入社してもすぐに辞めてしまうのではないか」「困難な状況に直面したときに投げ出してしまうのではないか」という懸念を抱くことがあります。 これは採用にかかるコストや時間を考慮すると、企業にとって合理的な判断とも言えます。
しかし、このようなイメージは先入観に過ぎず、中退理由や本人の人柄を理解すれば覆すことが可能です。 実際に、家庭の事情や明確な目標のための中退であれば、むしろ責任感や決断力の表れとして評価される場合もあります。
重要なのは、面接において中退理由を明確かつ前向きに説明し、継続力や忍耐力があることを具体的なエピソードで示すことです。 アルバイト経験や資格取得、ボランティア活動などの実績があれば、これらの懸念を払拭することができます。
履歴書の空白期間への説明が求められる
大学中退後から就職活動開始までに空白期間がある場合、面接で必ずその期間について質問されます。 企業側が空白期間を気にする理由は、働く意欲や計画性、責任感に対する懸念があるためです。
「何もしていなかった」「特に考えずに過ごしていた」といった曖昧な回答は、採用担当者に対してマイナスの印象を与えてしまいます。 また、空白期間が長ければ長いほど、説明が困難になり、就職活動において不利になる傾向があります。
一方で、空白期間中にアルバイトをしていた、資格取得に取り組んでいた、家族の介護をしていたなど、明確な理由があれば問題ありません。 重要なのは、その期間を有効活用していたことを具体的に説明できることです。
もし現在空白期間中であれば、就職活動と並行してアルバイトをしたり、就職に役立つ資格の勉強をしたりすることで、空白期間を有意義なものに変えることができます。
新卒採用の枠から外れてしまう
日本の雇用システムでは新卒一括採用が主流となっており、新卒者には研修制度の充実、同期との横のつながり、将来的な幹部候補としての処遇など、多くのメリットがあります。
大学中退者は基本的にこの新卒枠から外れてしまうため、中途採用枠での競争を強いられます。 中途採用では即戦力が求められることが多く、経験やスキルのない大学中退者にとっては不利な状況となります。
ただし、厚生労働省の指針により、卒業後3年以内の者については新卒扱いとする企業も増えています。 高校卒業後3年以内であれば、大学中退者でも新卒として応募できる可能性があります。
また、第二新卒や既卒者を積極的に採用する企業も増加傾向にあります。 これらの企業では新卒と同様の研修制度を用意している場合も多く、大学中退者にとって良い機会となります。
給与・待遇面で大卒者との格差が生じる
大学中退者は高卒扱いとなるため、初任給において大卒者との間に格差が生じることがあります。 前述の通り、初任給では約5万円の差があり、年収に換算すると約60万円の差となります。
また、昇進・昇格の面でも影響が出る可能性があります。 一部の企業では管理職への昇進要件として大卒以上の学歴を設定している場合があり、キャリアアップの機会が限定される可能性があります。
退職金や各種手当についても、学歴によって差を設けている企業が存在するため、長期的な待遇面での格差が生じることもあります。
しかし、これらの格差は全ての企業に当てはまるわけではありません。 実力主義を掲げる企業や成果重視の企業では、入社後の頑張り次第で大卒者を上回る待遇を得ることも可能です。 また、転職を通じてキャリアアップを図ることで、最終的には大卒者と同等以上の待遇を得ている大学中退者も多く存在します。
大学中退後、就職に成功している人の特徴

大学中退後に就職を成功させている人には共通する特徴があります。 まず、中退という経験を前向きに捉え、そこから学んだことを次のステップに活かそうとする姿勢を持っています。 過去を悔やむのではなく、未来に向けて積極的に行動を起こすマインドセットが重要です。
成功している人の多くは、就職活動を早期に開始しています。 中退後すぐに動き出すことで空白期間を最小限に抑え、面接での説明もしやすくなります。 また、一人で悩まずに就職支援サービスやハローワークなどの専門機関を積極的に活用している点も共通しています。
さらに、明確な目標設定ができている人ほど成功率が高い傾向があります。 「なぜその会社で働きたいのか」「将来どのようなキャリアを築きたいのか」といったビジョンが明確な人は、面接でも説得力のある志望動機を伝えることができます。
柔軟な思考を持ち、当初の希望とは異なる業界や職種にもチャレンジする姿勢も成功につながっています。 固定観念にとらわれず、幅広い選択肢の中から自分に合った道を見つけることが重要です。
大学中退から就職を成功させる6つのポイント
大学中退者が就職活動を成功させるためには、戦略的なアプローチが必要です。 ここでは、内定獲得の確率を高める6つの重要なポイントを詳しく解説します。 これらのポイントを実践することで、大学中退というハンディキャップを克服し、希望する企業への就職を実現できます。
中退理由をポジティブに説明する準備をする
面接では中退理由について必ず質問されるため、事前に説得力のある回答を準備しておくことが重要です。 ネガティブな理由であっても、伝え方次第でポジティブな印象を与えることができます。
例えば「勉強についていけなかった」という理由であれば「自分の適性を見つめ直し、より実践的なスキルを身につけたいと考えた」と表現することができます。 「人間関係がうまくいかなかった」場合は「多様な価値観の人と働ける環境で成長したいと思った」といった具合です。
重要なのは、中退を後悔していないこと、そしてその経験から学んだことを次に活かそうとしている姿勢を示すことです。 「中退という決断をしたからこそ、今の目標が明確になった」というストーリーを作ることで、採用担当者に前向きな印象を与えることができます。
また、中退後の期間をどのように過ごし、何を学んだかについても併せて説明できるよう準備しておきましょう。
空白期間の過ごし方を明確にする
中退後から就職活動開始までの空白期間について、具体的かつ前向きな説明ができるよう準備することが重要です。 企業側は空白期間中の過ごし方から、応募者の計画性や向上心を判断しています。
アルバイト経験がある場合は、そこで身につけたスキルや学んだことを具体的に説明しましょう。 接客業であればコミュニケーション能力、製造業であれば集中力や責任感など、就職先でも活かせる能力をアピールできます。
資格取得や勉強に取り組んでいた場合は、その動機と成果を明確に伝えることが大切です。 「将来の目標に向けて必要なスキルを身につけるため」という明確な理由があれば、計画性や向上心の証明になります。
もし特に何もしていなかった期間がある場合でも、正直に答えた上で「その時間があったからこそ自分の将来について深く考えることができた」といったように、前向きな意味づけをすることが重要です。
学歴不問・未経験歓迎の求人を積極的に狙う
大学中退者の就職成功率を高めるには、学歴不問や未経験歓迎の求人を中心に応募することが効果的です。 これらの求人では人柄や意欲が重視されるため、大学中退者でも十分に勝負できます。
IT業界、介護業界、営業職、製造業、サービス業などでは学歴不問の求人が多く存在します。 特に人手不足が深刻な業界では、やる気のある若い人材を積極的に採用する傾向があります。
ベンチャー企業や成長企業も狙い目です。 これらの企業では学歴よりも実力や成長ポテンシャルが重視されることが多く、入社後の頑張り次第で大きく成長できる可能性があります。
求人情報を見る際は、応募条件をしっかりと確認し、「大卒以上」と明記されている求人は避け、「学歴不問」「高卒以上」「やる気重視」といった表現がある求人を積極的に狙いましょう。
自己分析と企業研究を徹底的に行う
就職活動の成功には、自己分析と企業研究が欠かせません。 特に大学中退者の場合、なぜその企業で働きたいのか、なぜその職種を選んだのかを明確に説明できることが重要です。
自己分析では、自分の強み・弱み、価値観、興味のある分野、将来の目標などを整理しましょう。 中退経験も含めて、これまでの人生で学んだことや成長したことを振り返ることで、面接でのアピールポイントが見つかります。
企業研究では、応募する企業の事業内容、企業理念、求める人物像、業界での位置づけなどを詳しく調べましょう。 企業のホームページだけでなく、業界誌やニュース記事、口コミサイトなども活用して、多角的に情報を収集することが大切です。
この2つを組み合わせることで、「なぜこの会社なのか」「自分がどのように貢献できるのか」を具体的に説明できるようになり、説得力のある志望動機を作ることができます。
複数の求人に同時並行で応募する
大学中退者の就職活動では、複数の求人に同時並行で応募することが成功のポイントです。 一つの企業に集中しすぎると、不採用になった場合の精神的ダメージが大きく、就職活動が長期化する可能性があります。
応募数の目安としては、常に5~10社程度の選考が並行して進んでいる状態を維持することが理想的です。 これにより、一つの企業で不採用になっても他の選考が進んでいるため、モチベーションを維持しながら活動を継続できます。
スケジュール管理も重要です。 面接日程や提出書類の締切などを整理し、余裕を持って対応できるよう計画的に進めましょう。 手帳やスマートフォンのアプリを活用して、進捗状況を管理することをおすすめします。
ただし、内定を複数もらった場合は、できるだけ早めに入社する企業を決定し、他の企業には丁寧にお断りの連絡を入れることがマナーです。
就職支援サービスを効果的に活用する
大学中退者の就職活動では、就職支援サービスの活用が非常に効果的です。 これらのサービスでは、大学中退者の就職支援経験が豊富なキャリアアドバイザーが、一人ひとりの状況に応じたサポートを提供してくれます。
就職支援サービスを利用するメリットは多岐にわたります。 履歴書や職務経歴書の書き方指導、面接対策、求人紹介、企業との日程調整など、就職活動の全般をサポートしてもらえます。
特に大学中退者向けのサービスでは、中退理由の説明方法や空白期間の活用方法など、大学中退者特有の課題に対する具体的なアドバイスを受けることができます。
また、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえる場合もあり、選択肢を広げることができます。 これらのサービスは基本的に無料で利用できるため、積極的に活用することをおすすめします。
複数のサービスに登録して比較検討することで、自分に最も合ったサポートを見つけることができるでしょう。
大学中退者におすすめの職種・業界5選

大学中退者が就職しやすい職種・業界があります。 これらの分野では学歴よりも人柄や意欲が重視される傾向があり、未経験からでもキャリアを築くことが可能です。 ここでは特におすすめの5つの職種・業界について詳しく解説します。
営業職|人柄重視で学歴不問の求人が豊富
営業職は大学中退者にとって最も就職しやすい職種の一つです。 営業の仕事では学歴よりもコミュニケーション能力、行動力、粘り強さといった人間性が重視されるためです。
営業職の魅力は、成果次第で高収入を得られる可能性があることです。 基本給に加えて歩合制やインセンティブ制度を導入している企業が多く、頑張り次第で大卒者以上の収入を得ることも可能です。
また、営業経験は他の職種や業界でも活かすことができる汎用性の高いスキルです。 将来的にマーケティングや企画職へのキャリアチェンジを考えている場合も、営業経験が大きなアドバンテージとなります。
営業職には法人営業、個人営業、内勤営業など様々な形態があります。 自分の性格や興味に合わせて選択することで、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。 未経験者向けの研修制度が充実している企業も多いため、安心してスタートできる環境が整っています。
IT・エンジニア職|スキル重視で将来性が高い
IT業界は深刻な人材不足に直面しており、学歴よりもスキルや意欲を重視する企業が増えています。 プログラミングスキルさえ身につければ、大学中退者でも十分に活躍できる業界です。
IT業界の大きな魅力は将来性の高さです。 デジタル化が進む現代社会において、ITスキルを持つ人材の需要は今後も拡大し続けると予想されます。 また、技術力次第で高収入を得ることも可能で、経験を積めば高年収を目指すことも現実的です。
未経験からIT業界に入る方法として、プログラミングスクールや職業訓練校で基礎スキルを学ぶ方法があります。 また、企業によっては未経験者向けの研修制度を用意しているところもあります。
在宅ワークやフレックスタイム制度を導入している企業も多く、ワークライフバランスを重視する人にとても適している職種と言えるでしょう。
介護・医療業界|人手不足で未経験歓迎
高齢化社会の進展により、介護・医療業界では慢性的な人材不足が続いています。 そのため多くの企業が未経験者を積極的に採用しており、大学中退者にとって就職しやすい業界の一つです。
介護・医療業界の仕事は社会貢献度が高く、人の役に立つやりがいのある仕事として多くの人に支持されています。 直接利用者や患者さんから感謝の言葉をもらえることも多く、仕事に対する充実感を得やすい職種です。
資格取得支援制度を設けている企業も多く、働きながらスキルアップを図ることができます。 介護福祉士、ケアマネジャー、看護師などの資格を取得することで、キャリアアップや収入アップも期待できます。
また、全国どこでも働く場所があるため、転居の際も就職先を見つけやすいというメリットもあります。 安定した雇用が期待できる業界として、長期的なキャリアを築きたい人におすすめです。
販売・接客業|コミュニケーション能力が活かせる
販売・接客業では学歴よりも人柄やコミュニケーション能力が重視されるため、大学中退者でも十分に活躍できる職種です。 アルバイト経験がある場合は、その経験を活かすことができるのも大きなメリットです。
販売・接客業の魅力は、お客様と直接関わることで感謝の言葉をもらえたり、商品の魅力を伝える喜びを感じられたりすることです。 また、商品知識や接客スキルを身につけることで、専門性を高めることもできます。
キャリアパスとしては、一般スタッフから主任、店長、エリアマネージャーといった管理職への昇進が期待できます。 実力や成果次第では、比較的早期の昇進も可能な業界です。
アパレル、家電量販店、百貨店、専門店など様々な業界で販売・接客の仕事があるため、自分の興味や関心に合った分野を選ぶことができます。 シフト制の職場が多いため、プライベートとの両立もしやすい環境です。
製造業|安定した雇用と技術習得が可能
製造業は日本経済の基盤を支える重要な産業であり、安定した雇用を提供してくれる業界として人気があります。 学歴よりも技術力や責任感が重視されるため、大学中退者でも十分にキャリアを築くことができます。
製造業の大きなメリットは、専門的な技術を身につけることができることです。 機械操作、品質管理、生産管理など、製造現場で必要とされる様々なスキルを習得することで、専門性の高い人材として成長できます。
また、多くの製造業企業では充実した研修制度や資格取得支援制度を設けています。 働きながらスキルアップを図ることができ、技能検定などの国家資格を取得することも可能です。
製造業は全国各地に事業所があるため、地方での就職を希望する人にも適しています。 また、比較的規模の大きな企業が多く、福利厚生が充実している点も魅力の一つです。 長期的に安定したキャリアを築きたい人におすすめの業界です。
大学中退者向け就職支援サービス4選【無料で利用可能】

大学中退者の就職活動を専門的にサポートする就職支援サービスがあります。 これらのサービスは無料で利用でき、一人では難しい就職活動を強力にバックアップしてくれます。 ここでは特におすすめの4つのサービスについて詳しく紹介します。
ハタラクティブ
ハタラクティブは20代の未経験者に特化した就職支援サービスです。 大学中退者、既卒者、フリーターなど、正社員経験のない若年層の就職支援に豊富な実績を持っています。
同サービスの特徴は、学歴や経験を問わない求人を多数保有していることです。 求人の多くが未経験歓迎となっており、大学中退者でも安心して応募できる企業を紹介してもらえます。
専任のキャリアアドバイザーが一人ひとりに対してマンツーマンでサポートを行い、履歴書の書き方から面接対策まで丁寧に指導してもらえます。 特に大学中退者特有の悩みである中退理由の説明方法については、豊富な経験を基にした的確なアドバイスを受けることができます。
また、企業との面接日程調整や条件交渉なども代行してもらえるため、就職活動にかかる負担を大幅に軽減できます。 関東、関西、中部、九州エリアでサービスを展開しており、対象地域に住んでいる方は積極的に活用することをおすすめします。
就職カレッジ
就職カレッジは株式会社ジェイックが運営する就職支援サービスで、フリーター・既卒・第二新卒専門のサポートを行っています。 特に注目すべきは「中退就職カレッジ」という大学中退者に特化したプログラムがあることです。
中退就職カレッジでは、就職活動の基礎から応用まで学べる無料の就職講座を提供しています。 ビジネスマナー、履歴書の書き方、面接対策、企業研究の仕方など、就職活動に必要なスキルを体系的に学ぶことができます。
同サービス最大の特徴は、書類選考なしで複数企業と面接できる集団面接会を開催していることです。 書類選考で落とされがちな大学中退者にとって、直接企業の採用担当者と話せる貴重な機会となります。
また、就職後の定着サポートも充実しており、入社後も定期的なフォローアップを受けることができます。 就職がゴールではなく、その後の職場定着まで見据えたサポートを提供している点が大きな魅力です。
DYM就職
DYM就職は第二新卒・既卒・フリーター向けの就職支援サービスです。 スピーディーな就職活動をサポートしており、短期間での内定獲得を目指す方に特におすすめです。
同サービスでは厳選した優良企業の求人のみを紹介しており、ブラック企業を排除した安心できる就職先を見つけることができます。 上場企業やトップベンチャー企業など、幅広い規模の企業と取引があります。
全国対応のサービスとなっており、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌など主要都市に拠点を構えています。 地方在住の方でも利用しやすい体制が整っているのが特徴です。
エージェントとの面談から求人紹介、面接対策、内定後のフォローまで、就職活動の全プロセスをサポートしてもらえます。 特に面接対策に力を入れており、企業ごとの特徴に合わせた対策を受けることができます。
第二新卒エージェントneo
第二新卒エージェントneoは株式会社ネオキャリアが運営する若手向け就職支援サービスです。 第二新卒だけでなく、大学中退者やフリーターの就職支援も積極的に行っています。
同サービスの最大の特徴は、一人当たり手厚いサポートを受けられることです。 初回面談から内定まで、専任のキャリアアドバイザーが親身になってサポートしてくれます。
ブラック企業の排除に力を入れており、社会保険がない、離職率が高い、若手を育てる環境がないなどの企業は紹介対象から除外されています。 安心して働ける企業を紹介してもらえるため、就職後のミスマッチを防ぐことができます。
また、内定後のフォロー体制も充実しており、入社前の不安相談や入社後の悩み相談にも対応しています。 就職活動から職場定着まで、長期的な視点でサポートを受けることができます。
関東、関西、中部、九州エリアでサービスを展開しており、該当地域での就職を希望する方におすすめです。
大学中退者の就職に関するよくある質問
大学中退者が就職活動を進める上で疑問に思うことが多い点について、よくある質問形式でお答えします。 これらの情報を参考に、不安を解消して就職活動に取り組んでください。 正確な情報を把握することで、より効果的な就職活動が可能になります。
大学中退者は新卒扱いになる?
大学中退者が新卒扱いになるかどうかは、企業の方針によって異なります。 一般的に「新卒」とは、その年度に学校を卒業見込み、または卒業した人を指すため、中退者は基本的に新卒には該当しません。
ただし、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」により、卒業後3年以内の者については新卒扱いとするよう企業に要請されています。 高校卒業後3年以内であれば、大学中退者でも新卒として応募できる可能性があります。
企業によっては「既卒3年以内新卒扱い」「第二新卒歓迎」といった表記で、中退者を含む若年層の採用を積極的に行っているところもあります。 求人情報をよく確認し、応募条件に該当するかどうかを事前にチェックすることが重要です。
新卒扱いになれば、新卒向けの研修制度を受けられたり、同期との横のつながりを作れたりするメリットがあります。 該当する場合は積極的に新卒枠への応募を検討してみましょう。
公務員試験は受けられる?
大学中退者でも公務員試験を受けることは可能です。 最終学歴が高校卒業となるため、「高校卒業程度」の公務員試験を受験できます。
国家公務員の場合、一般職試験(高校卒業程度)や税務職員採用試験などが該当します。 地方公務員についても、各自治体が実施する高校卒業程度の採用試験を受験できます。
公務員試験のメリットは、学歴による給与格差が比較的少ないことです。 また、安定した雇用と充実した福利厚生を得ることができます。
ただし、年齢制限があることに注意が必要です。 多くの試験で30歳未満という年齢制限が設けられているため、中退後はできるだけ早めに受験を検討することをおすすめします。
試験対策としては、公務員予備校や通信講座を活用する方法があります。 また、図書館などで参考書を借りて独学で勉強することも可能です。
面接で中退理由はどう答えるべき?
面接での中退理由の説明は、大学中退者にとって最も重要なポイントの一つです。 正直に答えることを前提として、できるだけポジティブな表現で説明することが重要です。
まず避けるべき回答例として、「勉強が嫌になった」「人間関係がうまくいかなかった」「なんとなく」といった曖昧でネガティブな表現があります。 これらの回答は採用担当者に悪印象を与えてしまいます。
良い回答例としては、「自分の将来について真剣に考えた結果、早く社会に出て実践的な経験を積みたいと思った」「やりたいことが明確になり、そのために必要なスキルを身につけたいと考えた」といった前向きな理由を挙げることです。
経済的な理由での中退の場合は、「家庭の経済状況により中退せざるを得なかったが、この経験を通じて責任感と自立心を身につけることができた」といった具合に、困難を乗り越えた経験として説明できます。
重要なのは、中退を後悔していないこと、そしてその経験から学んだことを今後に活かそうとしている姿勢を示すことです。
ハローワークは利用できる?
大学中退者もハローワークを利用することができます。 ハローワークは年齢や学歴、職歴を問わず、就職を希望する全ての人が利用できる公的な就職支援機関です。
特に「わかものハローワーク」や「新卒応援ハローワーク」では、若年層の就職支援に特化したサービスを提供しています。 大学中退者もこれらのサービスを利用することができ、就職相談、求人紹介、面接対策などのサポートを受けることができます。
ハローワークのメリットは、地域密着型の求人が多いことと、公的機関としての信頼性があることです。 また、職業訓練の紹介や各種セミナーの開催など、スキルアップの機会も提供されています。
ただし、ハローワークの求人は質にばらつきがあることも事実です。 より効果的な就職活動を行うためには、民間の就職支援サービスと併用することをおすすめします。
民間の就職支援サービスでは、より個別化されたサポートを受けることができ、大学中退者特有の課題に対するアドバイスも充実しています。サイト内の記事、「履歴書の職歴にアルバイトは書く?書かない?判断基準と正しい書き方を解説」でも詳しく解説していますが、複数のサービスを使い分けることで、より多くの選択肢の中から自分に合った就職先を見つけることができるでしょう。
まとめ
大学中退は確かに就職活動において一定のハンディキャップとなりますが、決して「就職できない」わけではありません。 統計データからも分かるように、大学中退者の約34%が正社員として就職しており、3人に1人は成功を収めています。 さらに、現在の雇用情勢の改善を考慮すると、実際の成功率はより高くなっている可能性があります。
重要なのは現実を正しく理解した上で、適切な対策を講じることです。 中退理由の前向きな説明準備、空白期間の有効活用、学歴不問求人への積極的な応募、そして就職支援サービスの効果的な活用により、成功確率を大幅に高めることができます。
また、営業職やIT業界、介護業界など、学歴よりも人柄や意欲を重視する職種・業界を選択することで、大学中退者でも十分に活躍できる環境を見つけることが可能です。
一人で悩まず、ハタラクティブや就職カレッジなどの専門的なサポートを積極的に活用しながら、自分に合った企業との出会いを見つける方法もおすすめです。